マイナンバー実践講座⑩マイナンバーの提示を拒否された場合

マイナンバー実践講座⑩こんにちは福岡の社労士、松本です。

前回の記事ではマイナンバーの罰則と会社の責任について書きました。

今回はマイナンバー取得の際に従業員などからマイナンバーの取得を断られた場合の対応について書きます。

マイナンバーの提示を断られた場合の対応

マイナンバーに関して誤った情報や報道がなされている現状で、従業員からマイナンバーの提示を断るといったことが考えられます。

この場合は社会保障や税の書類にマイナンバーを記載することは法律で決められた義務なので協力お願いします。提示をお願いすることになります。実際の事務では当面マイナンバーが無くても処理はしてもらえる予定ですが、行政とのやりとり等の余計な仕事が増える可能性があります。

またマイナンバーの提示を拒否した本人に対しても確認等が行われる可能性もあるのでその点についても説明し、マイナンバーの提示を求めることになります。

それでもマイナンバーの提示を拒まれた場合は提出先の行政機関の指示を仰ぐことになります。

マイナンバーの提示拒否の理由は?管理体制の説明

マイナンバーの提示拒否の理由には様々な理由があると思いますが、最近多い質問に「うちの会社はマイナンバーを管理できると思うか?」という話になることがあります。これは会社側、従業員側の方両方からです。

もちろんこの問に対して無責任な発言は出来ないのですが、話を聞く限りでは「できないでしょうね」と言ってしまいたい状況も多々あります。

マイナンバーの提示拒否の理由が、会社の管理体制であれば、この拒否は正当なものといえます。現状ではさほど危険なものではないと思いますが、民間利用前提のこの制度では確かに管理が出来ない所にマイナンバーを預けることは出来ないというのは当然です。

会社の管理体制について説明し納得してもらえるよう、責任者、取扱者が会社の管理制度について理解して、説明できるようにしておく必要があります。

マイナンバーが無い!と言われた場合

マイナンバーが無い!と言われる方もいらっしゃると思います。

一時期、国民の過半数が受け取り拒否したら制度がなくなるといったことを書かれていたこともあり、マイナンバーの「通知カード」を受け取らなかった場合はマイナンバーが付与されないと思っている方もいらっしゃいます。「通知カード」を受けとる、受けとらないの如何に関わらず、マイナンバーは付与されています。

マイナンバーが無いとおっしゃられる方がいらっしゃったら役所でマイナンバー付きの住民票を発行してきてもらって下さい。そのマイナンバー付きの住民票と、顔写真付きの身分証明書でマイナンバーの取得が可能です。

マイナンバーの取得がもうすぐ始まります。

11月に入れば早い所ではマイナンバーの取得を開始するところもあると思います。従業員の数が多い事業所では早めに進めなければ間に合わない可能性があるからです。

小規模の事業者もマイナンバーを取得する必要がありますが、現段階で管理体制等、取扱がしっかりできていないのであれば取得は先延ばしを検討する必要があります。

まずは保管、取扱等をしっかり整備し、取得しても大丈夫な状態をつくることです。最短で来年1月には利用が始まりますが、まだ2ヵ月あります。この間で整備し取得できる状況にしましょう。

マイナンバーのサイクルは取得、保管、利用、廃棄となりますが、取得する為には、保管、利用、廃棄が決まってないといけません。

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