マイナンバー実践講座⑧マイナンバーの保管について

マイナンバー講座⑧こんにちは。福岡の社労士、松本です。

前回の記事では各国のマイナンバーに似た制度を紹介しました。

今回は実際のマイナンバーの保管について話します。

マイナンバーの保管は前提条件が大事

マイナンバーの取得から保管、利用、廃棄という過程で、保管は一番長い期間があります。この保管部分はマイナンバーを流出、不正を防ぐ上で大事な要素です。

マイナンバーの保管については以前の講座「マイナンバー実践講座④従業員教育を行う」の従業員教育について、「マイナンバー実践講座⑥物理的な安全管理対策」の対策が十分されていることが前提条件になります。どのような保管方法が適しているかというということは、従業員の数、管理スペースの状況、取扱人数等で変わってきますが、確実に安全に保管できる体制を構築する必要があります。

マイナンバーについては例え従業員を雇っていなくても事業をされている方であればかなりの方が保管をする必要があります。小規模であっても管理スペースに問題がある(取扱者以外の人が入れる等)場合は外部に委託するというのも一つの手かも知れません。

外部に委託する場合の注意点

大規模な事業所ほど外部にマイナンバーの保管を委託する傾向が強いです。マイナンバーの保管を受託する業者はほぼ大規模なクラウド型の保管方法をとっています。

クラウドが安全なのかどうかというと賛否両論ありますが、大規模保管型の業者にまかせるのであれば間違いなくクラウド型になるので、安全対策については安全な業者を選ぶことしか対応策がありません。

外部に委託する場合、使い勝手の良さを考える必要があります。預けたのは良いが使い勝手が悪いのでは話になりません。実際にマイナンバーの取得、保管、利用、廃棄までの過程を考え使い勝手の良い安全な業者を選ぶ必要があります。ではどの業者が良いのか?という疑問が浮かびますが、現段階でこの業者!というものはありません。

やはり一番安全なのは自社での徹底管理という結論になってしまいます。

小規模事業者にお勧めは紙と金庫

人数の少ない会社などでは高い保守料を払ってマイナンバーを管理してもらうのはコストパフォーマンスが悪いです。かといってパソコン上の保管も高度なセキュリティを組むことは難しく、現実的ではありません。

保管するマイナンバーが少なく、利用する頻度が少ないのであれば紙の状態で金庫に保管する。金庫を開けれるのはマイナンバー利用者だけ。この状態が一番安全と思われます。余談ですが弊事務所で手続きを任せてもらっている顧問先の小規模事業者に限って紙ベースで金庫にマイナンバーをお預かりする予定です。もちろんクラウドの保管も対応していますが、これは事業主にクラウドの保守の強度を説明し、ご理解頂けた場合にのみこちらでお預かりしています。

最後に

マイナンバーの開始まで秒読みになってきました。配布のつぎの日には詐欺被害がでるなど前途多難です。マイナンバーが本格的に始まったら会社からの流出問題も明るみに出てきます。未だにマイナンバーが自分の事業に関係ないと思われている方も少なくないようです。情報管理が出来ない会社は生き残れない時代ですが、これからはこの傾向はさらに強くなります。マイナンバーは他人事ではありません。

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