こんにちは、福岡の社労士、松本です。
いよいよマイナンバー制度が来年からはじまります。会社や事業をされている方にとっては導入時に負担がかかる制度ですが「知らない」では済まない制度ですので複数回に分けてマイナンバー制度の運用やリスクについて説明していきます。
今回は初回ということで、マイナンバーの概要と生い立ちについてお話しします。
マイナンバーとはなにか?
マイナンバーとは「社会保障・税番号制度」のことです。簡単に言うと個人や会社に背番号をつけて国が管理する制度のことです。
国は今まで基礎年金番号、健康保険の番号、住民票の番号と様々な番号や記号を利用して行政処理を行ってきました。これは縦割り行政である限りこういった方法に頼るしかなかったことが原因です。
マイナンバー制度の導入によりこれらの情報を一つの番号に集約、管理をすることが出来るようになり、行政サービスの向上が期待される・・・という趣旨でこの制度の導入が決定しました。この決定自体は実は2013年には決まっていました。
実際には2016年1月より運用が開始されますので現時点で会社や事業をされている方は対応が必要です。
マイナンバーは会社の管理が重要になる
マイナンバーの管理は当然国がするものと考えるのが普通です。
ですがこの管理、実は会社や事業をされている方にも管理や責任が課されています。もちろん罰則もあります。
マイナンバー自体を今までの個人情報の上位にあてはめ特定個人情報という扱いになっていますので1人でもマイナンバーを扱う方はこの義務を負います。(個人情報保護法では過去6ヶ月に5000件を超えない方は義務がありませんでした)
この管理の部分が今回、会社や事業をされている方にとって重要になります。
次回からはこの管理の部分やスケジュールを説明していきます。
(参考)マイナンバーの生い立ち
国民に番号をつけて管理するというのは国の悲願であり。やっとここまで来たというのが本音だと思います。来年1月にはスタートする制度ですがここに来るまでとても長い歴史があります。この歴史を見たら国の本気度が伺えます。
1968年
行政管理庁(現総務省)が「事務処理用各省庁統一個人コード」導入を検討
1980年
グリーンカード法案が成立、高所得者等の強い反対により、施行をまたずに頓挫
1999年
住民基本台帳法の改正、2002年に住基ネット稼働
全国で反住基運動、裁判闘争が拡大
個人情報の名寄せ・納税者番号の使用を禁止、民間利用も禁止
2003年、住民基本台帳カード交付。普及率は5.2%(2014年3月末時点)
新たな番号制度の導入が議論されるようになる。
2001年~
社会保障カードの導入を検討
2009年~
民主党政権にて共通番号制を検討
2011年
「社会保障・税番号制度大網」を閣議決定。事前公募から名称を「マイナンバー」に
2012年
共通番号法案が通常国会に上程、一度も国会審議されぬまま衆議院解散、廃案に。
2013年
マイナンバー法案が通常国会へ上程、5月24日に成立
2016年1月より運用開始
(個人宛の通知カードは2015年10月より順次、簡易書留で発送されます。)