給与引き下げは認められるか?

6d983731[1]給与の引き下げについては認められるケースと認められないケースがあります。

経営する以上、人件費は切っても切れない費用として発生します。ですが経営上そこに手を入れることが必要な場合があります。

給与を全体の人件費として見た場合、人件費を下げる方法は大きくわけて2つあります。1つ目が人員の削減、2つ目が給与水準の引き下げです。

1つ目の人員の削減とは社員の退職を指しますが、基本的には希望退職の募集、退職勧奨、整理解雇と順を追う必要があります。整理解雇までいくと、この解雇が有効なのかどうなのかを含め、リスクが高い方法と言えます。現行の労働基準法では解雇の要件や手続きはきびしく、トラブルになった際は時間的にも費用的にも莫大にかかる可能性が高いです。

現実的には全員の給与を少し下げて雇用の維持が保てるなら賃下げで対応する方が望ましいと言えます。

給与引き下げが認められる要件

一番大事なポイントとして、給与引き下げについて社員の自由な意思で承諾したかというところになります。(参考:北海道国際航空事件)納得して給与引き下げに応じたかどうかということですね。

社員説明会を行う等も大事ですが、一番大事なのはその後に個人にもきちんと同意をとっておく必要があることです。書面で確認するのが望ましいです。

以前は社長が社員の前で給与引き下げの説明を行い、異論が出なかったので(当然そんなことを言える雰囲気ではなかったと思います)給与引き下げに応じたという理論がまかりとおっていた時代もあります。ですがこれはもう現在では通じないと考えてよいと思います。

一番怖いパターン

一番怖いのは方法や手続きを怠慢にしてしまって、あとあとトラブルになることです。そうなった場合は失うものしかありません。解雇や給与引き下げについては過去幾度となく法廷で争われてきたテーマです。ケースごとに基準や正当な手続きの方法もある程度確立しています。

助成金などを活用する

人員や給与に手を付ける必要がある場合は当然売上や生産量も減っていることがほとんどだと思います。こういった場合は国の助成金が受けられる場合が多いので、雇用安定助成金等他の方法を検討してみることも大事です。

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