「個人事業主が初めて人を雇うとき」

 個人事業主が初めて人を雇う時には必ず労災保険に加入する必要がある

個人事業主が初めて人を雇う時には労災保険に加入する必要があります。(一部農林水産業については暫定的に強制加入ではありません)手続としては労働基準監督署に

①保険関係成立届

を労働基準監督署に提出する必要があります。このとき個人事業主の住民票を添付する必要があることにも注意が必要です。

雇用保険については入る場合と入らない場合がある

雇用保険については初めて雇う人が雇用保険の対象かどうかで判断します。雇用保険の対象者とは原則として一週間に20時間以上働く予定で、31日以上働く予定の方です。学生のアルバイト等一部例外があります。初めて雇う人が雇用保険の対象者の場合は

②雇用保険適応事業所設置届
③雇用保険被保険者資格取得届

をハローワークへ届ける必要があります。このとき①で届けたときに貰っている保険関係成立届の事業主控えのコピー、住民票、賃貸の場合は賃貸借契約書の写しが必要になります。以前に雇用保険に入っていた人を雇った場合は③に雇用保険被保険者証を添付します。

労災保険と雇用保険の保険料を払う(前払い)

労災保険と雇用保険は先に見込額を払っておいて後日清算する形になり

④労働保険料概算保険料申告書の申告と保険料納付

を行う必要があります。この前払いの手続きは①とと同時または後にすることになります。提出先は労働基準監督署・銀行・郵便局のどれかです。

これだけはやる470276

提出書類にそれぞれに期限がある

手続の順番的には①⇒(②③、④順番はどちらでも大丈夫です)となりますが手続き期限は

①雇った日の次の日から10日以内
②、③雇った日の次の日から10日以内
④雇った日の次の日から50日以内

です。多少の遅れは見逃してもらえますが、別に添付書類が増える可能性があります。

厚生年金・健康保険については5人以上雇う場合に加入対象となる可能性があります。

これらの制度に加入してないと?

 

労災保険については手続きをしていないと、かなりまずいことになります。

仮に未加入状態でも雇われた人が仕事中や通勤中に怪我等をした場合は労災保険を使います。未加入の期間、監督署の指導の有無によって支払われた金額の40%~100%を支払わなければなりません。これはとんでもなく高額になる可能性があります。

雇用保険に関しても退職した従業員が失業保険等を貰えないことが考えられます。この場合、損害賠償を請求される可能性があります。また雇用保険には様々な助成金制度があり、これらを貰えないのも大きいです。

厚生年金・健康保険について加入していなければいけないのにしていない場合、まとめて後で保険料を請求される可能性があります。厚生年金・健康保険については保険料が高いのでこちらも高額になる可能性が高いです。また従業員にとっても金銭的な負担を強いる事にもなります。

 

これらの制度に共通していえる怖いこと

これらの制度に共通して怖い点は未加入でもトラブルが起こるまで誰も注意してくれない可能性がある点です。健全な経営上は絶対いるものなのにチェック機能が低いのです。共通して強制加入の制度ですが国の人手の問題や、制度の複雑さから事前に指導が入ることはまれだと言えます。トラブルが起こってしまってからでは手遅れの場合も多くあり、事業主、従業員ともに負担は大きいです。

保険料は安くないですが結局手続きしていない場合はそれ以上のリスクを背負うことになるので必ず適正に手続きするのが一番です。

コメント投稿は締め切りました。